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2016/05/06 旅と旅行を隔てるモノ

マレー半島
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マレー半島計画編、最初からはこちら

2016/05/06

いよいよ最終日となったこの日は、ひとまず宿から10kmもないKL国際空港まで
そしてそこから電車でKL、夕刻に戻り深夜KL発便で日本に帰国という算段だ

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空港までのバイパス道
この国を自転車で走るのもこの区間で最後ということになってしまう
総評として、この国を自転車で旅するのは結構走りやすい
ここまでの街でいうならバイクレーンが充実していたり2輪の交通量が多いのもあってか市街地であろうと神経を使わせられるようなこともなく走行ができた
ただしKL中心はめちゃくちゃ走りにくいと評判だが

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これまで一度も使うことのなかったカバンの底の自撮り棒の存在を思い出し、最後ということで自転車と自分を納めておくか、ということで何枚か。初めて使ったが自撮り棒かなりおもしろい
この旅は、かなり満足できるものとなったが後悔している点といえばもっとマレーシアンと肩を並べて写真を撮っておけばよかったということ
それこそ、宿のおっちゃん、食堂で「バイシクル、YE-I」と手を挙げてくる人たち、書いてないがタンジュンピアイの駐車場で日本人と知るや「Kawasaki,Honda!!」と連呼してきたライダーのおっさんたち
この国の人たちはその見た目のいかつさとは裏腹に人当たりがよく、きっとカメラを向けようものなら笑顔でそれに答えてくれただろう

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そんなことを少し振り返りながら最後の走行で空港に到着
そういった出来事やおもしろさもきっと田舎の方を走れたからであって、観光地だけをめぐるような旅行となればきっとできなかった体験かもしれない
それこそが旅のおもしろさといえばまあそうなのだが、・・・何が言いたいのかというとここからは旅ではなくその観光だということ



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とりあえず表の入り口の脇に適当にチャリを停め中を散策
どこの何があるのかを把握だけしておきたい
このKL国際空港は第一ターミナル(KLIA)と14年からは新空港になる第二ターミナル(KLIA2)があり微妙に距離もあったりするのでこちらでホントに間違いないのか直前でバタつくのは嫌なので確認
エアアジアなどLCCはKLIA2の発着となるようだが、LCCではない中国東方航空も当然こちらの第一ターミナル
小一時間うろうろして把握したのち食堂で飯も適当に食った後いろいろと事にかかることにする
自転車の輪行。表でチャリをばらしいつも(国内)と同じような感覚で輪行袋にしまいこんでいく。破損率の高いRDとハンドルも外してパッキングした

先ずは入口のすぐ近くにあるラッピングサービス
これはいくらだい?と聞くとおにいやンはデカいから高いよ?
と自転車は、41.85RM
インド系のお兄やンは手慣れた手つきでラップを巻きつけていく
このビニールは結構ガチガチで突起箇所はともかくこれでほぼほぼ大丈夫だろう

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さなぎ化したバイクをカートに乗せ続いて向かうのはそこから下の階にある「LUGGAGE STORAGE」つまるところ荷物一時預かり
受け取りは何時か聞かれるので今日の9:00PMくらいに取りに来るねと告げ無事預け入れ完了
こちらは48RM

身軽になったところでやっとKLに
更に階下が高速鉄道の駅となっており何とも利便性がいい事にここから中心地のKL sentral駅までの57kmを約30分で行ってしまうのだ
窓口でKLに行きたいんだけどと声をかけると日帰りなのかどうか問うてくるのでToday returnとかいうて搭乗券を購入
どうやら片道だと55RMみたいだけど往復券だと100RMで多分期間は当日のみ有効

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これが往復100RMの乗車券
使い方はシンガポールのMRT鉄道や日本と同じで改札にかざすだけ
帰りの分もこの1枚にチャージされているので無くさないようにしなければ

てかこの空港に来てからいろいろとべらぼうに高い
「旅」と「旅行」とでは何が違うのか、一体どこまでが旅でどこからが旅行なの?という非常にあいまいな話があるが自分の中では明確にソレをわける基準がある
それは地元民と同じ金銭感覚でモノを買い、飯を食うかということ。旅行となればそれはあまり気にせず観光地で遊ぶのだろうが。
例えば飯だが、これまでだと5~10RM、ガっつり食うと10~20RM。補給だと炭酸飲料が2RM、菓子パンなんかも2RMとか
自分の中でこの金銭感覚を身につけるためにだいたい00を足して円の感覚にしていた
つまり飯、5~10RMなら500円~1000円といった感じの金銭感覚
実際に換算すると(5RM)137円~(10RM)270円とかなので、(日本円に対して)安い!となるのは当然なのだが、そういったとらえ方はしてこなかった

なにもこれは買い物の金の話だけをしているのではなくてそうすることによってそこに住む人達と同じ目線でモノや景色が見えるのでないかという持論だ
これを、安ーい!みたいな感じで金ジャンジャン使ってると、その場所と自分に一線を曳いてしまう様な、自分は日本から来ている旅行者だ、と立場の違いを生んでしまうような気がしてならない
つまり自分がその土地に溶け込むかどうかということなのだろう
まあその後者がいわゆるアジアンリゾート旅行とかなのだろうが、後者は後者でよいのだが今回自分がしているのは旅なのである

そんなわけでこの国の金銭感覚が身に付いた今となってはこの空港での金の飛び方が尋常ではない!
この6日間全体支出のおおよそ1/5が空港滞在数分間で消費したことになる
まあ、最終日なので多少はしょうがないがこんなん自分がマレーシアンやったら高くて絶対無理!!

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それからこのエクスプレス、車内に無料ワイファイが完備されている。やはり高いだけのことはあるのか。
電車は快適に跳ばしていき、アブラヤシの農園から徐々に建物が増え最終的に高層ビルに至る車窓を眺めればそこはKL Sentral駅

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エアアジアの宙吊り広告がうるさいこの駅ももう普通に近代都市
KL観光といえど、実は行きたいところはたった一つしかなくそれはバトゥケイブというヒンズー教寺院
ここからはKLのローカル線KTMコミューターに乗ってバトゥケイブ行き終点バトゥケイブまで

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昨晩、宿のワイファイでこのローカル電車の乗り方を調べており、なんでも券売機でトークンといわれる乗車コインを買ってそれで乗るとのことだったのだが、実際に来てみると券売機は調整中なのか普通に人のいる窓口で半券を買う感じだった

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平日昼間となれば当然ながら乗客も少なくおそらくはみんなバトゥケイブに行く観光客なのだろう
約20分の電車で終点まで到着
こちらは終点まで乗っても2.6RM
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終点バトゥケイブ駅を降りればやはりインド色が強い感じに仕上がっている
流石に牛まではいないけど

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これがバトゥケイブだ!
インド国外においてはヒンズー教最大の聖地
美しいコンジキのムルガン像の脇には山肌にぽっかりと口を開けた鍾乳洞へと続く階段272段!
他の観光客、この暑さの中この階段を上る行為は苦痛なのかもしれないが、ここまで高負荷運動をいてこましてきた自分からすればこんなん今更余裕でしかない
むしろヌルい
ちなみに参拝料は無料

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他の観光客がヒイコラいう中をフォイフォイ登って行けばこの階段はかなりの斜度勾配でGUIGUI高度を上げてかなりの眺望
あ~ヌルい、ヌルいぜ~、こんなんマルフォイがフォイフォイだわ~


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一旦登りきったところで洞窟内広場になり更に奥に続いている
最初の階段を見上げた時も思ったがもはやどう考えてもダンジョンのラスボス感しかない
いやここは聖地なのでそんな安直なことを考えてはならない、神聖な場所であるのだ

最奥部には祠が安置されており観光客ではなく信者と思われるような雰囲気の参拝者の姿も

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遠くにはマレーシア近代都市の象徴、ぺトロナスツインタワーも見える

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いや~すごいところだった
再び駅からKLに戻ることに

再びセントラル駅に戻ってはきたものの特別見たいものがあるわけでもなく適当にその辺をうろつき空港に戻ることに
残念ながら都会というのはなんでもあるようでどこも同じような印象しか受けない
普通の旅行だったらそれだけでも楽しかったのだろうが、田舎を走ってきた自分には特別魅力的に映るようなことは無い
今回はそこは重点を置く場所ではないだろう

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空港に戻ると、食堂で飯をくって適当に時間をつぶす
この空港もワイファイがあるので快適といえば快適
程良い時間になり搭乗券をゲットするべくチェックインカウンターの方へ

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ここで自転車乗りならば非常に気になるのが超過料金の有無
重量では余裕で範囲内に収める物の三辺の総和、行きは箱だったので測られてもしょうがないものの帰りはビニールのコクーンだ。測るにしてもどう測る?という状態
若干のドキドキを抱えつつも長蛇の列をすすみチェックインへ
このチェックインカウンターのポマードガチガチ七三分けのお兄やんの裁量にかかっているといっても過言ではない
eチケットを渡すとおにいやンは何事もなく手続きを進め搭乗券を発券、続いて隣の測りに乗せられている自分の荷物に目をやるとなんだか不審な表情
ビニールのさなぎをチェックしながら、
「これは・・・・なんなんだい・・??」
明らかに不審がってるがこれはどうなるのか、ボソッとそれに答える
「バイク・・・・・バイシクル・・・」
「バイシクル??・・・・OoooH! バイシクル!!」

お兄やんはこのビニールの塊が自転車であると理解するや否や曇った表情が一気に明るくなりなんか急に目配せとかしてきた。もはや「なんだチャリかよ!お前やるじゃない!」とかすら言い出してきそうな気配すらある
始終お固い表情だったおにいやンも目の前の男が鼻の頭が焼けてるのも腕の皮ベラベラなのも「バイシクル」というそのたった一言のワードで察してくれたのだろう
手続きが終わると終いには「アリ ガト 」と片言の日本語
おにいやん最高かよ。結局、「一見して不審人物ともおもしき私が自転写旅行者だった」という事実に気をとられたのか荷物のサイズには一切触れることなくチャックイン終了
最後の最後までこの国の人はいい印象しかいだかなかった
というかホント手続きヌルくてたすかった

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登場開始
ダブルブッキング等もなく無事席に着き離陸を待つ
乗客の8割はやはり中国人であとの2割は西洋人やら日本人やらといったところか
帰りのフライトは

07 02:10 KL
07 07:20 上海
07 11:40 上海
07 15:05 名古屋

といった流れ、上海乗り換えの時間も十分にあるし問題ないだろう
1週間という短いとも長いともいえないこの海外ツーリング
この時の気分はといえば、疲れきって「はよ日本帰りてええええええ」とか、或いは「まだ遊び足りねえ帰りたくねえええええ」とかそういったどちらでもなく、
「やれるだけのことをやり終えることが出来た。よし、帰ろうか」というなんとも充実感に満ち溢れたものだった
実際、海外行くと、ああもういいわ帰りてええ、とかなることも少なくは無いと思うのでこの計画がこの時の自分に出来る範疇でも必要以上にキャパを越えず、かといって手に収まリすぎるわけでもないちょうどよいものだったのだろう。
さあ、あとは帰るだけだ

離陸まで本を読んで過ごしていたのだがどうも一向に離陸する気配がない
時計に目をやると既に3時半、予定時刻より一時間以上経過している
なにかトラブルがあったのか気にになりだした頃、中国語で機内アナウンスが流れ中国人の客がざわめきだした。
当然ながら、残り2割の中国語がわからない人間は何があったのか全く理解できない状態
ちょ、なに??なんなの???!
気にはなるものの、能天気な私は、まあ何とかなるやろ、とか安直に思っていた

だがそれが、いけなかった

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