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2016/05/03 走りながらも思う事

マレー半島
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マレー半島計画編、最初からはこちら

2016/05/03

ジョホール州バトゥパハ ~ ムラカ州ムラカ

この日は世界遺産の街ムラカまで約100kmの行程

メイリンホテルにて起床し荷物をまとめる

受付の人は昨日のおっちゃんからマレー系のあばちゃんに変わっていた

デポジットで預けていた紙幣を受け取り朝食はすぐそこでナシゴレン食って出発



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バトゥパハの街

やはりどこか少しだけ寂しいような気がする

この街、何か見て回る主要なところがあるわけでもなく、クアラルンプールやマラッカのように決して観光で訪れ滞在するような街ではない

だが不思議な魅力を持ち、旅が終わってもなぜかよく思い出すのがこの街のことだった

それはもしかするとやっとの思いでこの街に辿り着き、メイリンホテルのおっちゃんが温かく迎えてくれたからかもしれないがそれとは別に、ここに「ノスタルジックな何か」があるのは間違いない

ただ寂しい感じの街ではなく情緒があるような気がする

この半島を旅するツーリスト達はここにたどり着いた時どう思うのだろうか…?

あとで知るがここは旧市街で新市街の方はAEONとかあったりともう少し栄えてるのだとか


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街の横を流れるバトゥパハ河

これまでも川を渡る橋を幾つか越えてきたわけだが、基本的にどの川も汚泥を湛えた色だったのだが、エメラルドグリーンのこの川はあまりにも綺麗だったので思わず写真を撮ってしまった

川の左岸が街、地図の位置方向的に昨日は左手奥の小山の方から街に来たことになる


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昨日に引き続いて5号線を北上

流石に三日目ともなればこの国の勝手もわかってくるもの
「走」に関しては、もはやカルチャーショックを受けるような出来事もなく淡々と脚を進めていく

約半分の距離に位置するムアールの街まではこれといった事もなく 代り映えのしないマレーシアの田舎道を進んでいくだけだった
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途中ですれ違ったロードの集団

スポーツバイクの類に出くわしたのはマレーシアでは初めてかもしれない


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ムアールの街を通過

これこれ、これなんだよなぁ、ここを通過して再認識するのがやはりバトゥパハはアジアの熱気的な何かが遜色気味だったということ

打って変わってこのムアールは人に溢れ、ゴタゴタした空気に溢れていた

街に面したムアール川を渡れば中心地を外れ閑散とした地域になり再び田舎道になる

横を通りかかったモスクから聞こえてくるアザーン

これまでも結構な頻度でアザーンを耳にすることはあったのだがその度にここがイスラム教の国であることを再認識する

というかモスクも田舎といえど地区の公民館みたいなノリの頻度で現れるのだ

しかし一瞬、さおや~さおだけ~に聞こえてしょうがない


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ムアール以降、今までと同様、走ってりゃ何かしら店とかあるやろと思いながら走っていたのだがこれがサッパリなにもない

やっと現れた商店で適当に水などを買い、そこに座って休憩

てか暑い

そして、こう、こなれた感じで走っている時に思うこと何を考えているのかという話になるが

もし、自転車を、それほど乗ったことなくてこういった自転車の旅ブログをよく見ている人がいるなら、よくよく言っておきたいのが、「自転車旅というのは基本的にキツい」 ということ

もちろんそこにはロマンもあるがそれ以上にめちゃくちゃキツい

もしその憧れだけでたいして慣らし走行もせずに自転車旅に挑戦する人がいたなら、間違いなく思い描いた理想と現実の自転車旅のギャップに心を折られることになると断言しておきたい

「ええ~?そんな、聞いてない!こんなはずじゃなかった・・・!」とか絶対になる

そしてこの日も走りながら思っていたことといえば全くその「基本的にキツイ」ということで、そのことを意識しだすと段々と自分の行動にクエスチョンが浮かんでくるのだえ?自分なんでせっかくの休みなのにこんなしんどい事してるん?

そこそこ時間もお金もかけて海外まで来て自分一体なにやってるん?

ああああ、クッソ!あっちい!

もういいよ!明日はマラッカから輪行で残りは楽しい楽しい海外旅行に仕上げてやんよ!チッキショウ!

走ってる最中というのは冗談抜きで、本気でそんなことを思ったりするのだ

そしてこの時、冗談でなく本当にそうするつもりだった。
まあ、ほんとにしんどいとそんなことすら考える余裕も無いのだが。

自分の場合、初期のワクワク感も薄れ落ち着いてくるのが毎度、だいたい3日目

以降は順応してパターンに入るのでこの時もそんな感覚だったのだろう
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ムアールからのこの19号線は新道バイパスのようでこれがゆるーい丘陵の様な感じで快適に走れるのは確かなのだが、全く日よけになるものもないのでなかなかしんどい
もうやっとれんから木陰で休憩噛ますしかないのだが、15分ほど寝て起きたらアリが数匹体に付いてきた様で、それを払いながら走る事になってしまった。でかい黒いアリは全然いいんだがちっさい赤いアリ、こいつはダメだ


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マラッカ市街まではもうすぐなのだがこの先も何も無いとなるとこれは本格的に街に付く前に自分が干からびてしまう気しかしないので途中の交差点で折れて少し細い道を使うことにした

というかムアールを過ぎたくらいのところでぼちぼち昼飯をとるつもりでいたのが、この19号線ホントに何もなくて食いそびれてしまっていたのだ

もしチャリでここ通過する方がいるならそのアテで一気に走り切るか、或いは並走している5号線の方をお勧めしておきたい


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交差点折れて進んだら普通に食堂とかも出てきた

流石に生活道みたいなエリアに入ると店やらもいろいろある

いや〜助かった
奥のおばちゃんにそれを1つ頼むと焼きそば的なものでやっと昼飯(この時は料理名をしらなんだがおそらくミンゴレンという食い物)

で、よほど食に餓え必死だったのかこのとき撮った写真はまさかのおっちゃんの背中この1枚だけ

食後にアイスコーヒーも頼んで完全に息を吹き返した

ここからマラッカはそこまで遠くもなく割と普通に辿り着くマラッカ、ムラカ、メラカ、

呼び方はどれでも問題ないみたいだけど到着

マラッカ海峡に面するこの街は太平洋とインド洋を繋ぐ東西交通の要衝であり様々な異文化交流が起こったことから独自の景観を築いたことで街全体が世界遺産として登録されている

フランシスコザビエルも東洋布教においても拠点にした街だとか

前の記事でも書いたが日本に来る石油タンカーも未だにここを通過しなければならない事を考慮すれば、ここが重要な場所として位置するのは昔の話ではなく現在でも同じだろう。
この国の原型ともいえるのがここ古都マラッカ
日本でいったら京都みたいなもんか

ちなみにマラッカが英語圏での名称でムラカが現地の人の言う名称、メラカは少し古い人の言う名称だとか

それで今日の寝床なのだが、アテをしてた宿、アジットゲストハウス、日本人に人気の安宿ということでGW中だしもしかするとフルで泊れないんじゃないかと若干の心配をしていたのだが、行ってみたら余裕で泊れた

というか、客自分だけだったぽいしどういうことなのか・・・

自転車は表のパイプに施錠して固定、荷物を部屋に置き少し休んでからこの街を歩いてみることに


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安宿街から路地を通って中心地の方へ

正面に見えるのはメラカタワー


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そのへんの店で水だけ買ってあとは適当に街の中をほっつき歩くことにする

この街は主要観光地は徒歩圏内に集中しているようでたぶん自転車など使わずとも問題ないだろう

まあ観光地を観光する気など更々なくて少し歩いてみようかくらいの軽い気持ちだったのだが

だいたいモスクとか教会とか見て回ったところで「へ、へえ・・・ふうん・・・」みたいな微妙な感想しか抱ける気しかしないのでそれでいいのである


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独立記念博物館


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サンチャゴ砦


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一番有名であろうオランダ広場


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こちらは中華街でもあるジョンカーストリートの入り口

そしてこの街を彩っているのがトライショーと呼ばれる人力車

このトライショーは至る所を走っていてショートムービーから感じてもらえればと思うが祭りの様にエネルギッシュな街を演出しているようでこれが楽しい!

1つ1つ説明するのも長くなるしそもそもそこは説明できるほど詳しくもないので割愛


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なるほど、確かにこの街は異文化間に溢れ、アジアの1つの都市とは思えないくらいに混沌としたものがある

別に地図も持たずにただ歩いていただけなのだがガイドブック等で見覚えのあるようなスポットがどんどんでてくる

そしてそれらがすぐ近くの場所で隣接するようにあるのがなんともおもしろいポイント

次は一体何がでてくるのか、そこの角を曲がれば何があるのか?とただ歩いているだけで楽しい

この街を歩いてる最中、自分は今どこにいるのか、もはや、アジアでもない、かといってヨーロッパでもない街並みに一体ここはどこなのか? と何とも言えない気分になった


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もはや、何料理なのかもよくわからない注文したこのプレート、魚の肉なのになんでこんなにも美味いのか

このソース一体なんなのかというくらい絶妙なテイスト
「んんンッ!ぅまぁッ…!」
とか一人食堂の隅の方のテーブルで小さく唸りながらメシを食う一人の邦人
この街の空気を楽しみ、満足し、そしてこの美味い飯をしみじみかみしめながらも考えることといえば、明日のこと
満ち足りた思考で思うことといえば、
まぁ、明日も、……
とりあえずは、頑張って次の街まで走ってみようか…
昼間、走ってる最中に考えていたことなんて忘れてしまいそんなことを思ってしまうのだからなんともチョロい
美味いメシの力は絶大
そして皮肉なことにこの旅において後々思い出す事といえば、決して観光地を巡った時のことなんかではなく、やっとの思いでたどり着いた時の街の風景であったり、或いはウンザリするようなただただ直線に伸びる灼熱の道だったりするのは、やはりこの旅が自転車旅だったからなのだろう
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