BB Aceoffix チタンシャフトボトムブラケット
Titanium Alloy
Specifications:119 mm
Weight: 144 g
この数年ですごい勢いをみせる中華製、チタンシャフトのBB。
その実力はどんなもんよということで一本購入。
カラーもシルバー、ブラック、レッドとありレッドをチョイス。
チタンシャフトのBBというと以前はToken製が有名でそれ以外でというと一部のハイエンドブランドのもののみと選択肢は少なかったと思う。
他にも似たような製品で、ACRZといった名前のブランドのものも存在するようだが写真等を見る限り全く同じものっぽいのでOEMではないかと思う。
で、その中華チタンBBとはどんなもんなんよと思っていた次第なのだけど、現物届いてみて正直、『えっ・・・これ、だめだろ・・』てなった。
製品がっていうより、設計構造上ビミョウなんじゃないかと思ったのでそのへん、主観、雑感を書いていきたいと思う。
なぜ、これがダメなんじゃないかと思ったかというとBBの構造から説明する必要があると思うのでまずスクエアテーパーで最も一般的なシマノのBBで説明しようと思う。
シマノのユニットBBは非常に優秀でユニット単体で回転性能が完結しており、自転車のボトムブラケットに取り付けさえできれば基本的に滑らかに回転する。
シャフトに両側のベアリングが組み込まれた一体モノ。
反ドライブ側はただのカプラで、BBねじ山とユニットBBの隙間にはいり保持するだけの構造となってくる。
古いフレーム、粗悪なフレームだと、左右のBBネジ山の中心がLとRでズレている、もしくはBBシェル幅が68mmでなく68.5、67.5とかズレていたりと、BBの精度が出ていない場合もあると思う。
その場合でも取りつけさえできればドライブ側のユニット単体で回転性能は担保され、半ドライブ側のカプラが潰れて対応するようになっているとおもう。
加えて、BBの距離は普通68mmだが、ここもフレーム精度が悪くてもし67,5mm、68,5mmとかだったりしたとしてもユニット単体で回転性能が担保されているので影響を与えない。
つまりフレームを選ばず滑らかに回転してくれるBB構造
私感ながらユニットBBの回転性能は現在主流の2ピースクランクより上。
難点を挙げるなら重量が重い点と2ピース構造のクランクよりも剛性が劣るということくらい。
というわけでシマノもしくはそれに準ずる構造のBB(先述のトーケン含む)だと何も考えず取り付けすればいいことになる
ただ近年の自転車は精度が高く、低価格帯でもよっぽどLとRで軸がずれているなんてこともないと思う。
その前提になってくると、ホワイトインダストリーズやポールコンポーネンツのような左右ベアリング、シャフトの3ピースのBBでも問題なく使用できるようになってくると思う。
こちらは軸の精度が出ている前提での使用になるけど、左のワン(ベアリングは)BBの距離(玉当たり)をロ調整できるようになっているのでガタがなくスムースに回るところに調整してロックリングで固定するようにすれば性能を担保できると思う。
ここまで説明してやっと本題でこのACEのBB
この製品は全くもって調整のしようが無い。
入手する前はてっきりシマノのユニットBBのように一体物だと思っていたのだけどまさかの3ピース
それだけならいいんだけど、前述のホワイトインダストリーズ等のような左ワンで玉あたりを調整できる機構がない。
つまりLRの軸が精度出ているのはもちろんのこと、BBの幅もカッチリ68mmである必要が出てくる。
つまりガタが出たら即アウトでベアリングを新品に差し替えるか、もしくはシャフトにうすーいワッシャーでも噛ませてガタがなくなるように調整してやるしか方法がない。
一体どういうつもりでこの構造なのか。
シャフトはチタン、椀は7075のアルミ合金と申し分ないスペック。
ワンとベアリングは圧入ではなくしっくり収まっている状態でガタも皆無。
これまで自分の触ってきたものは圧入されているタイプのものだったのでこれが良いのか悪いのかはわからないがベアリングの交換は安易だと思う。
斜めにならないように気をつけて平行に引き抜いてやれば取り替えもできる。