プログレッシブメタル。技巧派集団Dream Theaterの4th
プログレッシブロックというと前衛的、多ジャンルを取り込み、あるいは宗教感、思想的なものまで音で表現しようという事で曲が長くなったり、変拍子で複雑であったりと一般的に、ポピュラー音楽を聴く層にはウケが悪いといわれるが、このアルバムをもってして全くそんなことは無いと断言したい
というよりこの盤の質が高すぎる
コンセプトアルバムというわけでストーリー仕立てになっているわけだが物語の大筋として、
毎晩、誰か別の人間の人生の悪夢にうなされる青年ニコラス
彼はその現象の原因を解明するためセラピストを訪れる。
そこで催眠術により過去に遡及され、自分が過去に実在したビクトリアという名の少女の生まれ変わりである事を知る。
ニコラスはビクトリアの詳細を探求していく事になるがビクトリアが若くして悲惨な死を遂げることを知る
というもの。
そんなわけで、生まれ変わり、輪廻転生がテーマとなるコンセプトアルバム
セラピストの催眠術で幕を開ける1曲目に始まり、まるで前世に時間を遡るかのようなインストの2曲目Overture1928(おそらく1928年がヴィクトリアの生きた時代なんでしょう)
幻惑の中からヴィクトリアの対面となる3曲目と続きここまでとめどなくあっという間に進むし世界観に引き込まれる。
特にグッときた曲が終盤11曲目、1曲目と同じコード進行で始まるThe Sprit Carries On
粗方、事の惨事、前世の記憶を取り戻した後のシーンだがいちいち歌詞が引っかかる
長くなってしまうので冒頭部だけひっぱてきた和訳を
私達はどこからきたの?
どうしてここにいるの?
死んだらどこに行くの?
その先には何があるの?
その前には何が待ってるの?
人生で確かなものはあるの?
「人生は短い」
「今が大切」
「チャンスは一度しかない」
でも本当にそれだけなのか
私にも前世はあったのか
あるいはたった一度きりの命か
もし私が明日死んでも
私は大丈夫
何故なら信じているから
私達がいなくなっても
魂は生き続けると
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アルバムを通して聴いてきて終盤で語りかけるようなこの曲を持ってくるのはずるい
死んだ後どうなるかなんてのはわからんが、
少なくとも自分は、「廻り廻って今自分は生きているのではないか」とそんなことを感じさせられるアルバムだった
こういう人生観にまで揺さぶりをかけてくるアルバムは希有